瀬戸内海離島への出張理美容

訪問理美容ネットワークゆうゆうでは、2013年から、瀬戸内海に浮かぶ香川県・塩飽(しわく)諸島の志々島、牛島、本島、与島、岩黒島、櫃石島や、岡山県・笠岡諸島の高島、六島などの理美容室の無い離島を定期的に訪問し、出張理美容を実施しています。

ご利用をご希望の方はフリーダイヤル 0120-294-340、またはこちらのフォームよりお気軽にお問い合わせください。

※ 理美容行為は理容法・美容法で定められた理容師美容師の国家資格が必要です。また、出張理美容活動は条例で定められた活動のため、美容室、理容室を行っていない方は届け出が必要です。

瀬戸内海には740もの島々があることをご存知ですか?

その中には無人島も多くありますが、有人の島だけでも152島あります。島には島の暮らしがあります。瀬戸内海の島々の交通手段は船が基本で、多くの住人にとってはフェリーが主な移動手段です。定期船が島々と街を結んでいますので、島での暮らしはこの定期船に合わせて営まれています。

現在私たちが訪問理美容の活動を実施しているのは、香川県6島、岡山県2島の8島で、理美容室の無い島を選んで出向いています。ほとんどの島で、はじめは住民の皆さんも島外からの訪問者に戸惑っている様子でしたが、一度体験して頂くととても喜んでくれます。ここでは、島の風景と合わせて、私たちの活動の様子をご紹介します。

香川県・志々島


香川県の志々島には、三豊市須田港から粟島を回る定期船のコースと宮ノ下から志々島を回るコースがあり、20分で行く事が出来ます。いずれも一日3回フェリーの着岸がありますが車では渡れません。徒歩で荷物を持って志々島の浮桟橋に着岸すると、ひょい!と岸に渡ります。


現在人口10数人の志々島ですが、以前は2,000人も住んでいて花の栽培が盛んだったそうです。花が咲くと三豊市からも島が花でピンクに染まる姿が見えたと島の方が述懐していました。現在は島には空き家も多く産業もありません。島の伝統である祭りや伝承行事が無くなってしまったと島の人とは言います。


島には高齢者が多く、街まで美容に行くと帰りのフェリーに間に合わなければ帰れませんし、パーマや毛染めは時間がかかるので出来ません、と高齢のご婦人が語っていました。志々島では、住民のお世話をしてくださる寺下さんのご協力で、詫間町役場志々島出張所の「憩いの家」をお借りして訪問理美容の実施をしています。


憩いの家には美容設備がありませんので、畳に髪の毛が落ちないように、シートをしいてから椅子に腰かけていただいて美容をしています。この日のお客さんは全部で2名。少ないですが、その分施術にゆっくりと時間を取ることができ、とても喜んでいただきました!

岡山県・六島


岡山県の六島では公民館に努める三宅さんが、島の人達が喜ぶ活動なので、と引き受けてくれ、住民の方々に広報でお知らせをしてくれています。


人口60人程の小さな島ですが、毛染めを希望する方やカットの予約がいつも数人入ります。笠岡港からフェリーで1時間ほどですが、波が高いと欠航してしまいますので、天候にはいつも注意を払っています。

ここがひと工夫!島でのシャンプー


通常、島の会場には、毛染めやパーマの為の設備がありませんので、移動式のシャンプー機を車に乗せて港まで行き、リヤカーに載せ替えてからフェリーに乗って島に運び入れています。


現在は、もっと軽量で移動が簡単な組み立て式のシャンプーセットを開発中です。

地域住民の声

  • 定期的に島に来て頂くようになってから便利になりました。訪問理美容開催の島の放送が聞こえて今日も来ました。以前は夫の車で児島まで買い物のついでに行っていましたが、ついでの美容は不便でした。踊りをしているので定期的に来て頂いているのはありがたいです。
  • 船に乗って美容室に行くことを思うと、ついおっくうになって「まあいいか、次にしよう」と思ったりしますが、定期的に島に訪問理美容が来てくれると「それなら行ってみようか」と美容に関心が増してくるし、さっぱりしていれると毎日が楽しいです。
  • 認知症の母は船の往復だけでも大変です。島に美容師さんが来てくれるのでついでに染めてもらっています。島で出来ると安心です。
  • 高齢化で人口が減少している島に来て頂いてありがたいと思っています。島のご婦人もいつもならバスを乗り換えて美容室まで行く手間が減って喜んでいます。街の美容室まで行ってパーマをかけると一日かかります。冬の寒い時は大変です。これからも続けて来て頂けるように工夫して頑張ってください!
  • 毎月来ていただいてありがたいと思っています。島の皆と会える機会が出来て楽しいです。

理美容師の声

  • 最近地域で訪問理美容活動を始めたばかりですが、とても大事な活動だと思っています。島に訪問理美容に行かせて頂いて島の高齢者の方がこの日をとても大切にして頂いている事がよく分かりました。訪問理美容のある日はみなさん身なりを整えて、とても楽しそうに元気になっている姿が印象的でした。
  • 母親が入院していた頃に「シャンプーしてほしい!」と言っていたことを思い出します。女性にとって洗髪やヘアースタイルは日常生活の快・不快を決めてしまいます。この活動に参加して、ある島のおばあちゃんの庭で美容をしていた風景をみて、驚きと感動でいっぱいでした。島では高齢者に大変歓迎されて感謝して頂き恐縮しました。
  • 訪問理美容活動を通して、私たちの美容の仕事は子供の時から老人になってまでも人生の節目節目にまで携わっているとても大切な活動だと思いました。介護で美容室に来られなくなっても、地域に美容室が無くなっても、私たちが訪問して、いつまでも、綺麗に元気にいて頂く事が出来るお手伝いをいつまでもさせて頂きたいと思っています。
  • 美容師はカッティングだけでなく、パーマや毛染めや様々な技術を持っています。島では設備が無かったりして実施出来ないところや、交通の不便な地域もありますが、これからも様々な工夫をして地域の方にもっと喜んでいただけるように頑張りたいと思っています。

訪問理美容研修センター(香川県・与島)


与島にある空き家を活かして「訪問理美容研修センター」に。